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漫画喫茶・開店奮闘記U

カッティング(窓等に店名や職種を貼り付ける)が遅い事。
通りに貼る広告が弱い事。
さらにバイト募集の張り紙が遅れた事。

新店舗の場合とにかく知ってもらう事にもっと全力を。
作業の順番で何が大切か?そしてその訴求力の強さ。を業者に再度チェックをいれた。

店舗での求人募集の場合、地元で交通費がいらない事も含め、近い場合は何かの時にすぐに来てもらえる可能性が高いということで業者に伝えたけれど、時間がないこともあり、求人雑誌に広告を。
ここで驚くべき出来事が。
なんと10人ぐらいの募集予定の所に300名の応募が。
この時期1999年の夏、ホームレスの増加・フリーターの増加・自殺者の増加という時期。
業者がバイトの面接や電話での応対にてんてこまいしたのを後で聞いた。

まず、履歴書に写真がない者・鉛筆書きの者・必要事項が白紙と信じられない履歴書を電話処理し、人物評価をABCに別け、業者のおすすめをA'として履歴書を渡してくれた。(この辺はわかりやすく、そつのない仕事だった記憶がある)

ここからは履歴書の趣味の欄や、その他書き込んである内容を見て30人ぐらいリストアップしこちらの仕事の変則的なシステムに納得できるか確認して10人選んだ。
業者のABCの評価とは、あまり一致しなかった。
特におとなしい人を暗いととるかどうか。店舗には明るい元気な人が良いのは分かっているけれど経験上、コツコツ地道にやる人も大切。
接客用語等は訓練で誰でも、そこそこになる事はよく知っているから。

開店一週間前位に、暇を持て余していたバイト(軸になれる人間と判断した)をひとり先行して、時間を決めて雇った。自分の代わりに、全て紙に指示を書き、本の追加購入やこまごまとした店内備品の購入を手伝ってもらった。

開店数日前にバイト全員を一同に集めて、仕事の方針を細かく説明。
アルバイト代はこちらが出すのではなく、お客さんである事の再確認。
クレームやその他の問題は、自分がお客さんならで判断する事。
この2点を強く指示。

そして、ひとり体制で一日3時間×4人=12時間シフトで当面、時給は上がらない事(最初からこの業界の相場より少し上で設定)・指示を守れない時にはすぐ辞めてもらう事。
月末締めの5日払い・タイムレコーダーより自分で申告(給料を自分で計算)する事。
その後、チェックした時、自分で端数を切り上げる子と遠慮して少なめに計上する子といろいろ性格をつかむのにも役にたった。

当初のシフトはこちらで指示し、いずれはバイト同士での時間の入替は可能。

その為、全員に入店可能な時間帯を書いてもらい、一覧を全員に配り2ヶ月目から自分達でシフトを管理する事。そしてとりあえずリーダー格を一人指名。(いずれは二人に)
ようするに、店内の事をバイトで決めてゆくシステム作り。
方向性・そして問題やクレームは全てこちらでという感じで他の事を決めていった。

アイドルタイム(暇な時間)が数ヶ月後に出てくる事は読めたので、毎回やらなければならない作業、時間があればやらなければならない作業の書き出して一覧に。
作業に飽きさせない様な変化、さぼらせない様なチェックを中心に、しかし信頼という事を大切に考えた。
システムで毎日の仕事の70%ぐらいを縛り(ミスを減らし)残った時間で、いろいろアイデアや気づいた事を書いてもらう様にした。(定期的にこちらで課題を出した)

次に入店するバイトに引き継ぎと同時にレジのチェックもさせた。(責任を明確にさせるシステム)さらに、店作りの具体案を大いに出してもらった。
その為、業者には反対されたが、最初に作った30分無料券をバイトに月10枚配る様な事(コミックの知識UP・バイトがバイトをチェック&フォロー)もしたし、真夏にアイスクリームの差し入れや、履歴書より誕生日にはちょっとしたプレゼントを。
その後、バイトの子が何処かへ旅行したら、皆にお土産を買ってきてくれたり、田舎から送られてきた物を配ったり、思った以上のチームワークで店をささえてくれた。

漫画喫茶のひとり体制には、問題が多く有るので、有形無形でのそのフォローは気をつけた。
その内容を本当は書いてみたいけれど、ここでそれを書くと様々なマイナス面が出る為、残念ながら書けません。
ただ、システムで充分やってゆけます。(但し、4時間という設定で)

アルバイトの子?達は大学生・家事手伝い・フリーター・専門学校生と様々。
年齢も10才ぐらいの差で男女の比率は同じで、それぞれがいい刺激を与えあっていて、勝手に?イラスト競争みたいなものをして店内に小さなPOPとして貼ってくれたり、フリーノートにフリーペーパーを作成したり、こちらで用意したボードにイベントやおもしろい記事をこちらとは別に貼り付けてくれたりしてくれた。たまにポカもあったけれど、よく働いてくれた。ただ、フリーターの子達には、やはり目標が見えないのなら自分に合いそうな会社に入るような話はよくし、結果的にはそうなっていった。

漫画喫茶専門業者での不足分のもうひとつが販促。
新しい店の場合、最も大切な作業のひとつ。
一応のポケットティッシュ(割引券付き)の配布はあったけれど、店の前にのぼりを立て、店の前と向かいの道路で配るだけだったから。
弱いというのが実感。その時点ですぐに、別のポケットティッシュ(割引券付き)を別の業者で安く作り、DTPソフトでのポスティング用の印刷物を作成。
これはポスティングにも、また配送された本のダンボールをA4の大きさにカットした物に貼り付けて「捨て看板」としても使用。

地図で自店を中心に十字にくぎり、ABCDに分け、印をつけて、ポスティング開始。
マンションなどには管理人の人にも説明しながら配布、警察や消防署にも配布した。
とにかく、ただ入れるだけではなく、会話のチャンスがあれば「30分で帰ってもらったら珈琲も無料ですから」見に来て下さいと。
大事な所は自分の足で配布し、笑顔で渡す駅前やポイントになる場所(こちらで地図上で場所指定)はバイトに2人組(男女でこちらで指名)で配布してもらった。
時間帯を替えての配布も試みたけれど、この時期詐欺関係の配布も多く、警察官もうるさかった時でもあった。

友人にチンドン屋さんにコネのある人間がいて販促のお願いをした。
最近はやはり珍しく、なかなかインパクトもありおもしろかった。
少し子供の頃が懐かしかった。
割引券の配布は開店後も、様子をみながら、まきすぎないように注意しながら調整した。

ここで自分で考えた店のシステムを書くと、30分180円で、
耳 静かな、優しい、気持ちのいい音楽(有線放送より選曲)
鼻 アロマの香りとハーブ関係のいい香りの植物(入口と別のコーナ   ーで)
目 漫画本と多めの緑(サボテン・ポトス等を中心に空気清浄)
空気清浄機・イオン発生器の設置。
珈琲と紅茶(ただしホットのみ)無料で(後は自販機で処理、ただ   し、お茶と100%ジュースにこだわった)
電子レンジや電気ポットを自由に使えるようにし食事の持込OK   に。
喫煙・禁煙・食事のコーナーを両サイドに出来るだけ離し、換気   の状態を確かめて作成。

パチンコ等では失うお金が多すぎる。安くてゆっくり出来る場所の提供。
ビルのオーナーさんには家賃が入り、バイトの子には仕事が、小さいけれどみんながプラスになれるような物を作れば、きれい事ではなく継続度の増す物が出来ると考えた。(当たり前の事ながら自店の利益を確保しながら)

そして当初から予定していた、近隣の大きな施設(親のいない子)の訪問。
無料の招待券や割引券を持参して園長先生と面談した。
無料招待は時間帯と時間数を制限して、楽しい時間を同情では無く過ごさせてやりたいと思って…。
年老いた園長(失礼)に何故そんな事をしてくれるのですか?と聞かれて、自分も似たような境遇で育ったからとかビルのオーナーと相談してとかなんとか。
後でオーナーさんからも礼を言われて、お礼はいいので家賃を安くして下さいと冗談が言える人間関係になっていた。

それにしても元気なお婆さんだった。若い子供達からエネルギーを吸い取っているのですか?という冗談が言えるぐらい、すぐうち解けて…。
人格者で頭もやわらかい人だと思った。(世の中やさしい、いい人も多い)
その時、いろんな話を聞かせてもらった中に、とんでもない親とやさしい子供の話は親子の情愛に他人の入る余地は無い事を感じる話もあっていろいろ考えさせられた。
働いている人達も仕事は大変なのに、やはりやさしい、そして笑顔のいい人達だった。

次に聾学校(聴覚障害)にも仕事場から2駅の所にあったので出かけた。
消防車がウーウーと鳴っているのをコミックで初めて知ったという投稿を以前、新聞で見た時から頭に残っていた。
ただ、大人の人も多かったので、失礼のない程度の最初の為の無料招待券を数枚と割引券にした。

さらに古本(週刊誌・新聞等)は近くの子供会等へ。
バイトの大学生の文化祭の協賛金等、出来る範囲で地域とのつながりも考慮した。

早めに打った追加の販促(割引券に印でわかる)の効果のおかげと、バイトの協力で2ヶ月目から利益が上がり始めた。というか客数が伸び出した。(正直もう少しかかると思っていた)

利益は新たな追加本に注いだ。これから先どんなに変化しても基本は「本」だと考えていたから。
ただ冊数を増やすのではなく、様々な所でおもしろい本を探した。
ダ・ヴィンチという雑誌やこの頃流行っていた動物占い等、簡単に楽しく読める物という少し漫画はもちろんだけれど、そこから少しずれた物も暇が出来れば本屋さんの中を探しまくった。図書館等ものぞきに行った。

店はそのシステムで全く違った客単価になるのは当たり前で、出来れば飲食を伴うと、時間も長くなり売上アップになる。(他にも方法は山ほどあるけれど)
大型店と真っ向から勝負するのではなく、ポイントを絞る事が大切と考えた。
今回は30分180円というシステムをとった時点で客単価の最低は@\500と設定した。
そこから客数をいかに増やすかという事に全力を。

店頭に利用方法のわかりやすい説明をボードに張り出しても、やはり自分の最初のようなウロウロしている人が何人かいた。
30分の割引券を渡し、説明して店内に一緒に入り珈琲を飲んで新聞や週刊誌そして読めそうなコミックを紹介して、30分したら強制的に?帰ってもらった。
この時点では無料で、経験してもらって、恐縮している人には「また友人でも連れて来て下さい」といって30分の割引券を2枚渡したりするような事もした。

@知名度を上げる
A継続性について
B固定客を作る
C競合店への対策
Dコミックの商品価値の見極めとデーター管理
E増え続ける本の処理について
F多店化への対策
G他の業種との合体構想
当時、テーマを書いて、考えられる方法を書き出す習慣をつけた。
考え続けていれば、それなりの答えはなんとかその時点でのベストは出てくる。
これは他の事も同じ事がいえるとは思う。

チケットの回数券や図書券を使えるようにするとか、近隣の飲食店からの出前OKとか、お菓子の自販機・知り合いのクッキーの販売。
さらに、ビルの年末年始の休みを利用した漫画本のレンタルなど最初の数ヶ月の間にやれそうな事から、バイトと相談しながらどんどん追加していった。

毎月始めに連絡表のような物を作り、仕事上のこまかな指示も含め、前月分の店の収支をバイトに公開して客数のアップを意識してもらったり、合理的な仕事の進め方のヒントなども書いた。
その時につけたしに書いた文章に、
ここで働く間に、自分の創意工夫や積極性をもっともっと身に付けて欲しい。
結局、頼れるのは自分だけ(もちろん多くの人々に助けてもらっているけれど)ぐらいの強い気持ちで若さ(若くない人もいるけれど?)を大切にやって欲しいと思う。
という大きなお世話も書いていた。(あまり会えないバイトもいたので)

とりあえず、ここまでが開店3ヶ月前から開店後数ヶ月の話。
思うのは、下準備の大切さと新しい人間関係に恵まれた事。
考えているだけでは、何も変わらないし、考えもせずに動くのは???。

 

 
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